北摂エリアと呼ばれる大阪・島本町水無瀬にあるジビエ料理の専門店「RISTORANTE Co.N.Te(リストランテ コンテ)」が提供する猪肉や鹿肉の一皿から、本当の意味で“生きている”というジビエの本質を感じてみてください。
罠の数は島本では30個。各自治体によってその数は定められています。猪や鹿などの動物がいた痕跡や足取りを追って山に登り、習性を熟知した上で、罠を仕掛けます。
大阪府猟友会は毎日島本の山に登りますが、出産前と言われるもっとも脂が乗る時期に狩猟は最盛期を迎えます。猪は11月後半から2月頃、鹿は7月から9月がその時期に当たります。
動物は私たち人間と同じ生き物。不要に傷を負わせないためにも、罠は自然の一部として溶け込ませ、命に敬意を払って一発で仕留めます。それがハンターの仕事であり、命をいただくということです。
生物は食物連鎖という捕食(食べる)、被食(食べられる)を繰り返し、命は受け継がれていきます。ジビエの狩猟においては、死の直前までストレスを最低限に抑えることを重視し、罠に掛かった動物を一発で仕留める。今この瞬間を生き、命を全うした動物に敬意を払い、仕留めてすぐに血抜きや処理を行い、適切なルートで下山します。30の罠のうち、1週間に1回かかるかどうかと言われる中、毎朝山に登る理由は、命を大切に思うからこその責任の表れです。
皮をはぎ、食べられる肉を取り出します。ここでの作業の速さと正確さがジビエの鮮度の高さや味を左右するといっても過言ではありません。ここ島本の山で育ち、いただいた命。少したりとも無駄にしないことが新たな命へと繋がります。